最高裁判所第二小法廷 昭和38(オ)1111 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人権逸の上告理由第一について。
原判決の認定によれば、本件代物弁済当時における本件宅地及び建物の時価は、
それぞれ、五、〇六一、七〇〇円及び一、〇三三、六〇〇円、合計六、〇九五、三
〇〇円であつて、本件債務額一三七万円の約四・五倍程度であつたというのである
が、各証拠を調べてみても、本件代物弁済契約をもつて、被上告人が上告人の窮迫、
軽卒に乗じ不当な利益を獲得する目的でなしたものとは認め難いから、本件代物弁
済契約が民法九〇条により無効であるとはいえないとして上告人の主張を排斥した
原審の判断は首肯できる。所論は、原審適法の事実認定を争うか、又は、独自の見
解により、原判決に所論の違法があるとするものであつて、採用するをえない。
同第二について。
被上告人が未成年者であるからといつて、所論のように本件貸金の貸主でないと
すべき経験則は毫も存しない。所論は採用するに足らない。
よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとお
り判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 奥 野 健 一
裁判官 山 田 作 之 助
裁判官 城 戸 芳 彦
裁判官 石 田 和 外
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